キンモクセイの香水を作りたかった6歳の日。

世界が、淡い橙色の香りに満ちる季節。
巡る度、思い出すのは、6歳なってすぐの秋の記憶。
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その日、私は、幼稚園の校庭で、「世界でいっちばん、いい匂いの花」に出会った。
でも、その匂いが、どこから漂って来るのかは分からず。
探し当てるべく、鼻をクンクンさせながら、運動場をグルグル、スタスタ、急ぎ足で歩き回って、
とうとう、タイヤブランコの後ろに、橙色の花を咲かせる小さな木を見付けた。

未知との遭遇
に、大歓喜した私は、花盛りの木から、一枝をポキリ!
その芳しい花を持ち帰って、香水を作ってやろうと思い立った。

人生初めての香水作りは、直感型アクション、チョットした空想の産物。

水を入れた、ワンカップのガラス瓶に、花を投入し、割り箸で、ギュウギュウ、ギュウギュウ。
しばらく、押し潰していると、ところどころ、グチャグチャになった花は、
水の中で不気味に浮遊し、えも言われぬ、切なさと、情けなさを演出。
心の叫びは、「ギャア、ナンヤコレーーーー!!!」
思い描いた姿とは、似ても似つかぬ、ただの「キンモクセイ汁」に、なんだかなぁ・・・な気分を抱きつつ、
だからと言って、それほど落ち込むわけでもなく、世の中の想い通りいかなさを、軽く発見し、私は、そこそこ満足して初の実験を終了した。

あれから、幾年月。
記憶を呼び起こす香りの儀式は、毎年、ささやかに嬉しくて。
今は、もうちょっと上手に、香水を作る方法を知っている自分が、ささやかに誇らしい。


【追記】
その日、世界で一番いい匂いだと思った、花の名前。
「キンセンカ」と「キン」の部分が一緒なとこに、惑わされがちだったため、私が、ちゃんと覚えたのは、もっと少し後になってからのこと。



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Commented at 2013-10-10 08:15
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2013-10-10 09:14
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by makisaegusa at 2013-10-11 02:04
> ƙšʎ

その感覚こそが、前に進むのに必要な風なのです。
ひょいって、飛び乗るだけで、びゅーんと目的地まで届けてくれます。
違う風に乗らないように、その瞬間を見逃さないよう!
Commented by makisaegusa at 2013-10-11 02:10
> ʤɯʁƙ

6歳の頃。
一番の疑問は、自分が内面に旅してるとき、なんで人に気付かれるんだろうかということ。
そしたら、なんと、その間、私は、外界から見ると、私は、ぼーっとしてるようにしか見えなかったわけです!!
まあ、当然っちゃあ当然なんだけどね。笑
だから、内側の自分に心をシフトして、中から窓を覗くみたいに、世界を観察するときは、
他人に、バレるという法則を立ち上げつつあった、御年600億歳のころ。
エッヘン!⇒億!!!

そして、サフランなんて、ハイカラなもの!
うちの庭には、生えてなかったなぁ。
我が家は、もっぱら、サルビアの蜜をチュウチュウ★
by makisaegusa | 2013-10-07 01:23 | Days-そんな日々 | Trackback | Comments(4)