Letters from FUKUSHIMA: ロ.

先日の夜の電話で、開口一番、彼女は、言った。

「また、生まれたよ。」

その声色に、私は、即座に、答えを知る。・・・嗚呼。

「親戚のところで、また、“口唇口蓋裂”の赤ちゃんが、生まれて来た。」と言う。

彼女の身内では、これで、二人目。
手術しようにも、順番待ち。

「でも、それも全然、驚くことじゃないよね。」と、私たちは、会話を続ける。

「関東でも、友だちの子どもが、“チェルノブイリハート”で、生まれて来たよ。」と私。

再び、私たちは、「まあ、驚くに値しないね。」と、相づちを打った。

この放射能に、酷く汚染された時代の出来事。
どんな異常が、日常に起ころうと、なんら不思議はない。

そんな世界に、私たちは、生きているのだから。
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止めどなく、地球を汚染させ続ける、制御不能の「フクイチ」から、たった、60kmの距離。
もはや、生物が暮らすべき場所ではないほど、放射能に侵された場所で、
思考を停止させずに生きることは、日々、発狂と隣合わせだろうと、・・・想像するたび、胸が、酷く痛む。



・義父さんのお葬式を上げようとした際(2012.10)、火葬場がいっぱいで、最低1週間待ちだと言われたこと。
火葬場では、悲しみに浸る間もなく、次々と遺体が運び込まれて来ていたこと。

・近所の児童福祉施設の(放射線)線量計の数値が、突然、信じられないくらいの平常値に下がったと思ったら、その場所の土を入れ替えていたこと。

・お年寄りたちは、騙されいたことに、薄々感づいてはいるけれど、気付かぬフリをしているように見えること。
(※ 騙されたことにしておいた方が、楽だから。)

・死産や、流産が、とても多いこと。

・元々、地元では障害を持って生まれる人が、異様に多く、奇妙に感じ続けていたのだけれど。
関西、関東への引越しを経験し、行き着いた答えは、原発が、ずっと前から、人知れず、度々、事故を起こして来たのではないかということ。
(※ 彼女の妹も、また、放射能漏れ事故の年に生まれ、身体に不自由を抱えている。)

・周りで、余りにも多くのお葬式があること。50ヵ所を超えてからは、数えるのをやめた。

・この地を諦めるため、新たな地へ進むために。本当の汚染を知るべく、土と水を『にっこり館』へ測定に出したこと。



彼女の生の声が教えてくれるフクシマは、メディアが、封じ込めようとしている、不都合な現実の「るつぼ」で。
いつも、この国の徹底的な「棄民」の様を、あからさまに、露呈させる。


そして、私たちの会話は、いつもと同じ言葉で、閉じられた。

「ありがとう。生き抜こうね。」

美味しい空気と、安全な土の場所で会うことを、固く約束する。



⇒これまでの「写真とことば」/⇒シリーズ『Letters from FUKUSHIMA』:⇒「Letters from FUKUSHIMA.(イ)

⇒「生きる」の項/⇒「3.11」の項/⇒「フクシマ」の項
by makisaegusa | 2013-09-08 22:27 | Photo+Kotoba-写真+ことば | Trackback | Comments(6)
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Commented by iroha525 at 2013-09-11 08:02
・・・・・・・・・・・・・・ありがとう。

ありがとう。

きょうも、

生き抜こう!!!

Commented at 2013-09-11 08:18
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by makisaegusa at 2013-09-12 00:35
> いろはにほへ子

いえいえ、こちらこそ。
ありがとう。
昨日から、様々なところで、この投稿は、物議を引き起こしているようで。
本心をあぶり出しているようで。
不安を煽るなと激怒する者、全く理解を示さぬ者、知ろうとしないことを自慢げに示す者、、、、笑
ほんと、色んなリアクションがあるけれど、
狭い視野に生きていることを、自らの挙動で証明してしまっていることに気付かないというのは、
なんとも、可哀想なことだなあと、切に思いました。

トニモカクニモ。
私は、同意をしろと言っているのではなく、ただ、そこで、異変を感じて生きるものがいる。
そのことを、知って欲しかったという、それに尽きます。

多くの友だちが、シェアしてくれたよ。
Commented by makisaegusa at 2013-09-12 00:47
>♬

朝っぱらから、ありがとう。
あ、早起きの人には、既に、昼くらいの感じだったかもしれないけど。ハッ!笑

絶望は、諦めの理由にはならないからね。
今日も、丁寧に。新たな一日を、参りましょう。
一瞬すらも、愛すること。
それだけで、世界の風景は、きっと変わるね。
Commented at 2013-09-12 09:44
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by makisaegusa at 2013-09-12 22:44
>∈

うん、私も、みんなにありがとうを伝えたいです。

神様と仏様!
助けてくれないから、彼らはいないと存在を否定するということは、
本来、彼らは、助けてくれて然るべきだと、考えていたということであって、
その前提となっている思い込み自体が、間違ってんじゃないかと思ったわけです。
他力本願であるから、それは、生まれる思考であって、
助けて貰えないことと、存在を否定することは、必ずしも、イコールにはならないということ。
この世に生きることは、魂の成長のための修行であるのだから、
彼らは、むしろ、いいところで試練を与えてくれるのが仕事なんだろうなあって。
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