[DAILY STUDY] ECRR代表 クリス・バズビー氏による警告と助言。

3.11以降、毎日、生きてくだけで忙しい。
思考することが在りすぎて、それだけで、夜が来る。
それは、とても濃密な時間なのだけれど。
未だ、答えには辿り着かない、4ヶ月半のカオスは、途方も無い忍耐力を要している。
整然とした世界に、生まれる新星が無いことは、宇宙を司る法則であるとは言えども。
やはり、終わりなき重金属のごとき日々には、消耗を隠しきれず。
標的まで、どれほど、近く遠いのか。
モヤモヤした空気の中で、確かめるように、ひとつひとつ信じられるものを掴んでいるような気がしている。

それでも、この忍耐を怠ることはならないのだと、もう一度、腹をくくる。
こんな覚悟の時代。
全く別の世界になったが故に、私たちは、まっさらに新しい生き方を模索しなくてはならないし、ゼロから再構築していかなくてはならない。
人生のコンセプトまでもを、根底から。

だいたいの真実は、甘くなく、受け入れたくもないような苛酷さであるけれど。
最悪を想定して、未来がそうではなかったならば、ただひとつ安堵すれば良いだけのこと。
今日も、知るべきことを真っ向から受け止め、最新のヴィジョンを描く手助けにする。

[TODAY'S STUDY: 1. クリス・バズビー氏 講演 / 2. クリス・バズビー氏 論文 / 3. 暮らしのための情報源]

1. クリス・バズビー氏 講演
1997年、欧州で設立された「放射線リスク欧州委員会(ECRR)」の代表である、クリス・バズビー氏が来日し、各地で講演を行った。
低線量被曝について、20年間に渡って研究を行って来た彼が、予測する日本のこれから。
他のどのよりも深刻と思える、その予測を共有し、私たちは、広く議論すべきであろうと思う。


110720 【自由報道協会】クリス・バズビー博士 記者会見」/→文字起こし 1, →文字起こし 2

以下は、バスビー氏が、7月18日に松戸市で行った講演の文字起こし。
⇒「前半」, ⇒「後半」, ⇒「第三部・科学の欺瞞」, ⇒「質疑応答


2. 論文「福島の破局的事故の健康影響」
また、バズビー氏が、3月30に出した論文によれば、
今後10年に、福島第一200キロ圏内で20万人、今後50年には、40万人もの超過ガンが発生するとの予測が示されている。
Peace Philosophy Centre』で、その日本語訳の完成が報告されていた()ため、一部抜粋を掲載すると共に、リンク先をここに。

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以下、論文の「結論と勧告」を抜粋。

1.ECRRリスクモデルにより福島事故の100キロ圏の住民300万人に対する健康影響を検討した。
100キロ圏内に1年居住を続けることにより、今後10年間で10万人、50年間でおよそ20万人がガンを超過発病すると予測された。
直ちに避難を行うことでこの数字は大きく減少するだろう。
100キロ圏と200キロ圏の間に居住する700万人から、今後10年間で10万人、50年間で22万人が超過発ガンすると予測された。
これらの予測値は、ECRRリスクモデルおよびチェルノブイリ事故後のスウェーデンでの発ガンリスクに関する疫学調査に基づいて算定されたものである。

2.ICRPモデルは、100キロ圏での超過発ガン数を2838人と予測している。
したがって、福島事故によるガンの最終的な超過発生数が分かるときに、どちらのリスクモデルが適切かの答えがでるだろう。

3.日本の文部科学省が公表したガンマ線量の公式データは、一般的に承認された科学的手法を用いて、測定箇所の地表汚染レベルを逆算するために使用できる。
その結果、IAEAは汚染レベルを明らかに低く見積もった報告を行っていることが分かった。

4.放射性同位体別の地表汚染レベルの測定を緊急に実施することが必要である。

5.100キロ圏の北西部に居住する人々は直ちに避難し、その地域を立ち入り禁止とすべきである。

6.ICRPリスクモデルを廃棄し、すべての政治的決定をECRR www.euradcom.orgの勧告に基づいて行うことを求める。
これは、2009年のレスボス宣言に署名した著明な放射線リスク専門家が出した結論である。

7.一般国民から意図的にデータを隠した者に対しては、調査のうえ法的処罰を与えるべきである。

8.メディアを通じて今回の事故の健康影響の過小評価をもたらす行為を行った者に対しても調査のうえ法的処罰を与えるべきである。

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ダウンロードは、以下のリンクより。
⇒「福島の破局的事故の健康影響 欧州放射線リスク委員会(ERCC)のリスクモデルに基づいた解析第一報」(Google Doc) or PDF


3. 暮らしのための情報源

⇒『日本の食品 "諸外国の放射能規制リスト"』 (7/20付・農林水産省)

⇒『子どもを守ろう SAVE CHILD』:子どもを守るために、役立つコンテンツいろいろ。

⇒『ドイツ気象局による放射性物質拡散予測』:7/26〜29 太平洋から東北、関東方面へ拡散の模様。

⇒『机の上の空 大沼安史の個人新聞』:最新のニュースとソース、情報とコラムを随時アップ。

⇒『京都大学原子炉実験所 小出裕章先生に聞く "福島原発事故の現状について" 』:Radio News「たね蒔きジャーナル(MBS1179)」
現状を把握するのに最適。問題点などの丁寧な指摘、解説を聴ける。
→「瓦礫で発電するバイオマス発電について」(7/25:YouTube)/ →要約テキスト
→「海に流れでたトリチウムは雨になって戻ってくる」(7/21:YouTube)/ →要約テキスト
→「最大の犯罪者、東電と国が事故を小さく見せようとしている」(7/20:YouTube)/ →要約テキスト

⇒『Japan Geigermap :At-a-glance』:日本各地の放射線測定値を可視化したサイト。(有志による計測)

⇒『原発関連いろいろ情報』:原発に関連したインターネットサービスや情報を紹介している。関連番組情報も、多々。

⇒『Peace Philosophy Center』:情報いろいろ。平和で、持続可能な世界を創るための対話と学びの場。

⇒Shing02「僕と核」:明解。
→「原子力産業と被ばく者の歴史的相関図」:日本に繋がる、世界の核。過去から現在までの、広く絡み合う様相。
→「現実 vs データ:卓上で希釈される放射能」:明解極まりない。現実の放射能を安全にさせる、データのトリック。


⇒maki+'s Blog:これまでの「DAILY STUDY」/⇒maki+'s Blog:『3.11』関連トピックス
by makisaegusa | 2011-07-24 23:59 | Daily Study-学ぶこと | Trackback | Comments(0)