15.

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身をもって体感するのは、本当に人は、とてもとても辛い経験を封じ込めて記憶の奥の方に押しやるのだということ。
阪神淡路大震災を前にすると、些細な記憶の断片までもが、涙を呼び起こすから、
私は、その涙の意味が、どこに繋がるのか探ろうと試みるけれど、それ以上奥には、どうしても進めないようになっている。
ただ、とめどなく泣けてきて、それだけ。
たぶん、この捉えどころのない感情は、あの時に経験した恐怖や不安、その他の多くが整理されないまま雑多に、心に詰め込まれたことの証しなんだろうと思う。

発表される犠牲者の数や名前に耳をそばだてながら、身内はいないようにと祈るように過ごした夜も。
余震に怯えた日々も。
見たこともない景色の全ても。
米粒よりもアリンコよりも、地球の脅威の前にはささやかな人間という存在への嘆きも。

今でも、友だちとあれは本当に怖かったなんて話しながら、自分の中の深く奥底にある場所には傷一つ付けないように、無意識に話す習性。
きっと、みんながこんな風に、乗り越えて来たんだろうと想像する。

そうして、あれは私たちにとって「絶望」という名前の試練だったのかもしれないと、ふと思い至った。
それじゃあ、「絶望を経験する意味は?」なんて考えを巡らせていたら、結局、答えは明白な所に落ち着いた。
「希望」を知るため。
先日も、震災の復興のために始まったという神戸の和太鼓グループの東京公演に行って、なんだかそういうことを思った。

私たちが、あの体験から学んだことは、防災ということを越えて本当に大きい。
向き合って、手繰り寄せて、確かめ合って、光の射す方向を目指して進んで、15年が経った。
本当に、あっという間。
たぶん、5年後も、10年後も、あの地鳴りの音は耳から消えないだろうし、同じ感情に苛まれるんだと思うけれど、それでいい。
私たちは、希望という最小限の未来に進む理由を、本能的に目指したんだと思うし、きっとこれからも、それと共に明日に向かって行くのだと思う。

いままで震災の日に書いたテキストの中で、一番、まとまってない、今日の文章。
・・・まぁ、こんな年があってもいっか。笑

黙祷。
多くの犠牲者の方々に。


[いままでの1月17日]
⇒2008.1.17 第13回:大根を考える日。
⇒2009.1.17 ●●●●●●●●●●●●●●

[和太鼓]
和太鼓松村組
by makisaegusa | 2010-01-17 01:36 | Photo+Kotoba-写真+ことば | Trackback | Comments(4)
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Commented by あき at 2010-01-17 02:12 x
もう15年もたつって早いなぁ。この時期になったらいろいろ考えさせられます!命があることに感謝して毎日を過ごしていかないとね★
昨日神戸新聞の7日間ってドラマを見て、まきちゃんちのことも考えました*!
あきも松村組も公演見たことあるよ(^ω^)震災の復興のために始まったって知らなかったな~!
Commented by makisaegusa at 2010-01-17 14:42
>あき

あき、あの時何歳やったーーーん?w
そうそう、神戸新聞、あのとき京都新聞が作ってくれたんやったなぁ。
思い出します。

あの頃、あと20年は神戸が戻らんて、言われてたのに、よくここまで頑張って来たなと感動。
それにしても!
あきも、松村組の公演観たことあるとは?!
あのリーダー、とてもチャーミングだったね、と友だちと話ました。笑
アンデスの音楽も、懐かしかったなあ。

そうそう、奈良の富美子さんに、今度は、いとこと会いに行きますってゆっといたから、
アキ、そんときは、ご同行願います。笑
Commented by あき at 2010-01-18 00:53 x
あきは5歳でした(´・ω・`)
地震ってなに?って感じやったし、はっきりとは覚えてないけどいろいろ記憶に残ってます*
ここまで復興するなんてすごいね★☆

松村組のは高校の文化鑑賞会でいったんです(^ω^)迫力あったー!!

わお笑★あきも会ってみたいから是非機会があれば笑(^・∀・^)
Commented by makisaegusa at 2010-01-18 04:46
>あき

そっかあ。
あきも、おっきくなったもんだ。笑

今日は、わらしべに交換に行った友だちヒサミ宅で、
奈良の公式ガイドパンフを読みました。
相変わらず、せんとくんは不気味でよろしい。笑
ワクワク、奈良旅!
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